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忘れていませんか?外国人雇用状況届出書のハローワーク提出

 町の飲食店などに入ると外国人労働者の方々を見かける機会が、以前にも増して多くなってきました。人材不足を補う有効な労働力として期待されている外国人労働者。今回は外国人労働者を雇用する場合に企業からの届出が必要となる、「外国人雇用状況届出書(通知書)」について紹介します。

<外国人雇用状況届出書とは?>

 

外国人雇用状況届出書とは、企業や個人事業を営む事業者が、外国人を雇用したり、または離職をする際にハローワークへと提出が義務付けられた書類です。国が外国人労働者の雇用状況を把握し、雇用管理や雇用安定につなげることを目的として企業に提出を2007年から義務付けています。

 

提出義務のある対象外国人は、以下のすべてに該当する方です。

 

    日本の国籍を有していない

    在留資格が「外交」「公用」「特別永住者」以外である

    雇用保険被保険者ではない(雇用保険の加入基準に満たない場合)

 

雇用形態は問いませんので、正社員・契約社員・パートまたはアルバイトなど名称や形態は関係なく、上記の3つの要件に該当したならば届出の対象となります。なお、③で「雇用保険被保険者ではない」がいきなり出てきますが、これは雇用保険の被保険者の場合には、雇用保険被保険者資格取得届を提出することで外国人雇用状況の届出を兼ねることができますので、外国人雇用状況届出書を別途作成のうえ届出をする必要がないためです。

 

外国人雇用状況届出書の概要>

 

外国人雇用状況届出書の指定書式については、厚生労働省のホームページからダウンロードすることが可能です。Googleなどの検索エンジンにて「外国人雇用状況届出書」と検索していただければ、一番上に出てきます。

 

 外国人雇用状況届出(引用:厚生労働省HP

https://www.mhlw.go.jp/content/001059771.pdf

 

書類に記載する内容は以下の通りです。 

 

 ①    雇用する外国人労働者の氏名

 ②    在留資格

 ③    在留期間

 ④    生年月日

 ⑤    性別

 ⑥    国籍・地域

 ⑦    資格外活動の許可の有無

 ⑧    在留カードの番号

他:雇用した日や離職した日など

 

 

 

内容はご覧の通りとてもシンプルです。

外国人労働者の方に「在留カード」を提示していただき、

ほとんどがその内容を転記していくだけですので、

作成に困るということはないでしょう。

 

在留カードとは?(引用:出入国在留管理庁HP

https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/whatzairyu_00001.html

 

 

※上記⑦の資格外活動の有無と言うものがありますが、

 こちらについては在留カードの裏面の下段にその記載があります。

 

なお、もしも現在の届出状況がわからないという場合には、

ハローワークへと確認することができます。

例えば前任担当者の退職などによって、

どこまで対応が完了しているかわからない!と言うような時には、

以下の書類を管轄のハローワークへと請求すると良いでしょう。

 

事業所別外国人雇用状況届出一覧(写)交付請求書 (引用元:厚生労働省HP

※上記ページの「5.外国人雇用状況届出の注意事項等について」に書式があります。

※事業所単位で請求する形になりますので、複数の事業所を有する場合はご留意下さい。

 

提出先と方法について>

 

提出先は各事業所の管轄ハローワーク宛となります。窓口への直接持参、または郵送でも提出が可能となっています。なお、現在では電子申請(外国人雇用状況届出システム)からも可能となっています。電子申請をおこなうためにはIDとパスワードが必要となりますが、過去に一度であってもハローワークの窓口への持参や郵送で外国人雇用状況の届出を行なった事業者の場合には、外国人雇用状況届出システムからの登録ができなくなっており、以前に届出を行なったハローワークに問い合わせていただくと、オンライン提出に切り替えが可能となっています。

 

外国人雇用状況届出書(様式第3号)による届出はインターネットで登録できます

(引用:厚生労働省HP

 

提出期限については、原則翌月末日となっており、雇用保険加入者については、雇用保険被保険者資格取得届を提出することになりますので、当該ルールに基づき翌月10日までが期限となります。入社時の届出は漏れなくおこなっていたとしても、意外と退職時の届出が漏れているケースも散見されますので、忘れずに対応するようにしましょう。

 

なお、届出を怠っていたり、虚偽の報告を行った場合には30万円以下の罰金が科されることがありますので注意しましょう。万が一ですが、出し忘れてしまったという場合には、まずは事業所の管轄ハローワークへ問い合わせをしていただき、その指示を仰いで下さい。

 

<まとめ>

 

ますます増え続けることが見込まれる外国人労働者。企業としても貴重な戦力となることは間違いありません。しかし手続きを怠ってしまっては折角の採用にもかかわらず、罰金や行政指導を受けてしまうこともあり得ます。きちんと適切な手続きをもって、労務管理をおこないましょう。なお、外国人雇用状況届出書については、社会保険労務士による提出代行が可能です。外国人材の労務管理のご相談や、お手続きのアウトソーシングのご用命がありましたら、どうぞお気軽にお声がけ下さい。

 


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