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オンライン面接における注意点

新型コロナウイルスの蔓延に伴い一気に普及したオンライン面接。5類移行後もそのままオンライン面接を活用している企業が多く見られます。オンライン面接は時間や場所に柔軟性を持たせることができますが、ネット環境に左右されたり、面接官と応募者の相互理解が深めにくいという課題もあります。

 

今回は改めてオンライン面接における、企業側(面接官)の注意点についてご紹介します。

 

 

【接続障害は大ダメージになり得る】

 

 売り手市場が続く採用マーケットにおいては、企業は面接する側ではあるものの、それと同時に応募者から「選ばれる側」でもあることを忘れてはいけません。現在では数多くの企業等が優秀な人材層を確保すべく、熱い採用競争が繰り広げられています。その中で企業は応募者から選んでもらうことが大切となりますので、面接以前に対応の良し悪しの部分から勝負は始まっていることを意識しましょう。

 

 その中でまず初めに重要となるのが、オンライン面接の機器のセッティングです。就職・転職活動をコロナ禍以降に行った方は経験があると思いますが、当時は急にオンラインツールを導入する必要があったため、多くの企業が不慣れな中でオンライン面接が実施されていました。中でも多く聞かれたトラブルが、接続障害設定不備により面接が実施できなかったというケースです当時はまだ致し方ないというムードが流れていましたが、現在では多くの企業でオンラインツールの使用が日常で当たり前となっているのは周知の事実であり、扱えない企業の方が少なくなっていると言えますそのような状況の中で接続障害等により自社だけが面接日時を再調整しないといけないというような事態になれば、当然にお相手の心理的にも、他社競争のうえでのスピード感のうえでも確実に応募者からはマイナス評価となります。そのためメインツールとして使うものの他、非常時に使用できる別のツールも事前に用意しておきましょう。

 

 弊所が非常時用にお勧めしているのは、LINEアプリのミーティング機能です。LINEは多くの応募者が既にインストール済みのアプリであり、自社で会議URLを作成して応募者へメール等で知らせることで、概ねスムーズにスマートフォンを用いてオンライン面接が可能となりますので、ご検討してみてはいかがでしょうか。やり方は簡単。LINEアプリのトーク画面右上にある「トークルームを作成する」アイコンから、「ミーティング」をタップすると、会議URLが表示されますので、あとはコピーして応募者へお送りするだけです。社員個人のアカウントを使用すると個人情報の問題もあると思いますので、企業で事前にアカウントを作成しておくと良いでしょう。(URLの作成方法はこちらです)

 

 

【ファシリテーターの準備が重要】

 

 実際に面接がスタートできた場合、最重要となるのがファシリテーター(進行役)です。面接はテンポや段取りの良さが大切です。応募者を緊張させず、そしてお話がしやすい環境を作るだけでも、応募者からの評価は少なからず上がります。現地での面接であれば、ある程度、直接的なコミュニケーションやオフィスの雰囲気によって進行の不備などがカバーリングできることはありますが、オンライン面接はその双方ともに期待ができないため、ファシリテーターが作り出す空気感などが、応募者の自社への印象を決めると言っても過言ではありませんのでとても重要となり得ます。特に当日の面接官が面接に不慣れなメンバーで進行に不安があるという場合には、予め人事部門の社員や普段からファシリテーションが上手な社員などに協力してもらい、万全の体制と準備で面接へ臨まれることをお勧め致します。

 

 

【面接官の雑談には注意が必要】

 

 最後は面接官同士のやり取りに関してです。面接官側は自分たちの話を終えるとマイクをミュートにして音漏れを防ぎ、応募者のお話を聞くことになると思いますが、ここで注意が必要となるのが雑談です。面接官が複数人いる場合、マイクをミュートしている時に面接官同士でちょっとした会話(雑談)をしているケースが見られますが、この雑談は応募者から見ると非常に目立つと共に、不安感を掻き立てられます。そもそも現地での面接において、応募者が話しているときに雑談をされるという機会は滅多にありません。それだけにオンラインを通じて自らの発言中に雑談している姿は気になってしまいます。特に自らが一生懸命に面接でアピールをしている中、雑談している姿を見れば、「ちゃんと聞いていない」、「何かおかしいことを言ってしまっただろうか」などど気が散ってしまうのは当然です。

 

 このあたり、採用を普段からされている人事担当の方は慣れているためか注意を払っているようですが、現場の社員が面接を主導している会社などにおいては、実態を一度確認してみましょう。面接官側も慣れていないだけに、限られた時間で他の面接官と打合せ的に雑談をしているケースが多いとは予想されますが、この行為が少なくともプラスに働くことはないものと思いますので注意しましょう。

 

 

【まとめ】

 

 今後もオンラインを用いた面接は続いていくことが予想されます。オンライン面接が便利な判明、対応が難しい側面もありますので、きちんと準備や打合せをしてから、面接へと臨みましょう。人材不足が加速している最中、その1件の面接が会社の行く末を左右すると言っても過言ではありませんので、ベストな対応を心がけましょう。

 


 

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